
中小企業の経営者にとって、スモールM&Aは事業の成長や承継の手段として有効な選択肢です。しかし、M&Aには一定の費用がかかるため、事前にどのような費用が発生するのかを把握しておくことが重要です。また、買い手・売り手が活用できる補助金についても知ることで、コストを抑えながらM&Aを進めることができます。
本記事では、スモールM&Aで発生する主な費用と、利用できる補助金について解説します。
スモールM&Aで発生する主な費用
【売り手側に発生する費用】
- M&A仲介手数料
- M&A仲介会社を利用する場合、成約時に仲介手数料が発生します。
- 手数料の相場は売却価格の5%~10%程度。
- 税務対策費用
- 売却益にかかる税金(法人税・譲渡所得税)のシミュレーションや節税対策。
- 税理士へ相談する場合は10万円~30万円程度。
- 契約書作成費用
- 売買契約書の作成・確認のために弁護士へ依頼。
- 30万円~50万円が相場。
- 税金
- 株式譲渡の場合、株式の売買は非課税であるため、株式譲渡や株式交換などの場合では消費税はかかりません。ただ、株主(売主)が個人または法人のいずれであっても、譲渡対価と取得原価の差に対して税金がかかります。
- 株主(売主)が個人の場合、譲渡損益に対して所得税、復興特別所得税、住民税がかかります。これらの税金全てを合わせると、譲渡損益に対して20.315%の税金がかかります。
- 株主(売主)が法人の場合、譲渡損益に対して法人税、住民税、事業税がかかります。法人税は超過累進課税のため、中小企業は所得によって税率が異なります。
- 事業譲渡の場合は、消費税と法人税等の税金がかかります。
- 消費税に関しては買い手側負担となりますが、売り手側は買い手から消費税を預かり納付する必要があります。
- 株式譲渡と同様、売却金額と譲渡資産の簿価との差額に対して法人税等がかかります。
- 株式譲渡の場合、株式の売買は非課税であるため、株式譲渡や株式交換などの場合では消費税はかかりません。ただ、株主(売主)が個人または法人のいずれであっても、譲渡対価と取得原価の差に対して税金がかかります。
- 株券発行費
- 株券発行会社による株式譲渡で必要となる費用
【買い手側に発生する費用】
- 買収費用
- 買収の対象となる会社を買う際の費用
- 株式譲渡や事業譲渡などでは支払対価、株式交換や合併などでは渡す株式が買収費用になります。
- M&A仲介手数料・アドバイザリー費用
- 買い手も仲介会社を利用する場合は手数料が発生。
- デューデリジェンス費用
- 買収対象の企業を財務・法務・税務の面から調査。
- 公認会計士や弁護士に依頼すると数十万円~数百万円の費用が発生。
- 融資手数料・利息
- M&A資金のために金融機関から融資を受ける際に発生。
- 金融機関によって異なるが、融資額の1%~2%程度。
- 税金
- 株式の売買は非課税であるため、株式譲渡や株式交換などの場合では消費税はかかりません。
- 事業譲渡の場合は、資産の譲渡として扱われるため、消費税がかかります。
- 事業譲渡に不動産が含まれる場合は、不動産取得税や登録免許税といった不動産関連の税金がかかります。
- 登記費用
- 商業登記や所有権移転登記などの手続きにかかる費用
【自社に適した費用でスモールM&Aを成功させるために】
発生する費用の内容や金額は、M&Aの内容やサポートする会社によって異なってきます。ただ、スモールM&Aの場合はなるべく費用を抑えて成功させたいのが事業者の本音ではないでしょうか。オールグロースでは、着手金・中間金・月額報酬は全て無料、成約した場合のみ成功報酬を頂く「完全成功報酬制」を採用し、ご利用いただきやすい料金体系でスモールM&Aをサポートしております。また、長期的にM&Aに取り組みたい方向けのプランもございますので、ぜひご検討ください。
スモールM&Aで使える補助金
【売り手側が使える補助金】
- 事業承継・引継ぎ補助金・専門家活用枠 売り手支援類型(Ⅱ型)
- 事業再編・事業統合に伴い株式・経営資源を譲り渡す予定の中小企業等を支援する類型。
- 事業承継を円滑に進めるための補助金。
- M&Aにかかる専門家費用の一部が補助対象となる。
- 最大200万円~800万円の補助が受けられる。
- 小規模事業者持続化補助金
- 売却前に事業の魅力を向上させるための経費を補助。
- 補助額は最大50万円。
【買い手側が使える補助金】
- 事業承継・引継ぎ補助金・専門家活用枠 買い手支援類型(Ⅰ型)
- 事業再編・事業統合に伴い株式・経営資源を譲り受ける予定の中小企業等を支援する類型。
- 事業承継を円滑に進めるための補助金。
- M&Aにかかる専門家費用の一部が補助対象となる。
- 最大200万円~800万円の補助が受けられる。
- 事業再構築補助金
- M&A後の事業拡大や業態転換を支援する補助金。
- 最大2,000万円以上の補助が受けられる可能性あり。
- 各地方自治体独自のM&A・事業承継関連支援補助金
- 各地方自治体が独自に実施。
- M&A・事業承継にかかる費用の補助を受けられる場合がある。
【補助金活用のタイミングを逃さないために】
補助金とは、国や地方自治体等が、政策目標を実現するために、事業者の新たな取り組みに対して、事業資金の一部を給付する制度。ただ、非常に多くの種類があり、さらには申請要件や申請〆切日もそれぞれ異なるなど、自社の経営課題に適してかつその時に申請が可能な補助金を見つけることに苦労する事業者が多いことも事実です。活用のタイミングを逃さないためにも、補助金については認定経営革新等支援機関などの専門家に相談されることをオススメします。オールグロースでも、補助金の専門家が事業者に適したオススメの補助金・助成金を定期的にご案内し、個別の補助金のご相談にも対応する顧問型サービス「補助金顧問」を提供しております。また、個別の補助金の申請サポートも行っておりますので、ぜひご検討ください。
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まとめ
スモールM&Aには、売り手・買い手それぞれにさまざまな費用が発生します。しかし、国や自治体が提供する補助金を活用することで、コストを抑えることが可能です。スモールM&Aを検討する際は、事前に必要な費用と活用できる補助金を確認し、賢く取引を進めましょう。詳しい情報や具体的な相談を希望される場合は、専門家に相談することをおすすめします。
もしスモールM&Aで発生する費用や使える補助金についてさらに詳しく知りたい場合は、ぜひ当社までご相談ください!
監修:安田 宗一郎(公認会計士 / 税理士)
大手監査法人で法定監査業務、IPO業務に従事。
事業会社ではホビーメーカーの経営企画で上場準備を担当し新規上場を経験、ベンチャー企業の執行役員CFO等の業務に従事。
現在は、オールグロース会計事務所・株式会社オールグロースの代表として、税務顧問、財務・経理、M&Aや事業承継のコンサルティングを行う。

オールグロースについて

オールグロースは Enjoy the growth をスローガンに、公認会計士・税理士・マーケター・クリエイターで構成される、中小企業の成長と継承を支援する専門家集団です。 事業を通じて中小企業を活性化し、豊かな日本と地域の経済に貢献します。
オールグロースのM&Aアドバイザリーは
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