
中小企業経営者にとって、事業の売却や承継は大きな決断です。その選択肢の一つとして注目されているのが「スモールM&A」です。
本記事では、スモールM&Aの概要と、その主な流れについて、現役公認会計士・税理士がカンタンに解説します。
スモールM&Aとは?
スモールM&Aとは、小規模な法人や個人事業を対象としたM&A(企業の合併・買収)を指します。明確な定義はありませんが、当社オールグロースでは概ね次のような基準で判断しています。
- 譲渡価格が1億円以下
- 売上高が1,000万円から5億円程度
- 年商が数千万円から3億円程度
- 従業員数が数人から30人程度
一般的な大規模M&Aに比べ、以下のような特徴があります。
- 規模が小さい:対象となる企業の売上や従業員数が限定的。
- 取引が迅速:手続きや交渉のスピードが比較的速い。案件により期間は変わりますが、3-4ヶ月程度で成約することも。
- 個人オーナーが多い:買い手も売り手もオーナー経営者や中小企業であることが多い。
スモールM&Aは、事業承継の課題を抱える経営者にとって、会社を未来へつなぐ有効な手段となっています。
スモールM&Aの主な流れ
売り手側のスモールM&Aのプロセスは、大きく以下の5つのステップに分かれます。
- 売却の目的を明確にし、自社の価値を見極めます。
- 財務状況や事業内容を整理し、魅力的な企業概要書を作成します。
- 候補企業への初期打診(スキーム、条件)
- 売却先や買収先となる企業を探します。
- 専門家や仲介会社の支援を受けて、適切な相手を見つけます。
- 買い手候補企業との面談
- 契約条件の基本的合意
- 買い手が売り手の企業価値を確認するための監査(デューデリジェンス)を実施。
- 財務、法務、税務などの観点でリスクを洗い出します。
- 経営者保証提供先金融機関等への事前相談
- 最終契約を締結し、事業の引き渡しを実施します。
- 必要に応じて、引き継ぎ期間を設け、スムーズな移行をサポートします。
スモールM&Aの成功のポイント
スモールM&Aを成功させるためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 専門家の活用:経験豊富な専門家のサポートを受けることで、スムーズな進行が可能です。
- 透明性の確保:取引条件や財務状況を正直に開示することで、信頼関係を築きます。
- 計画的な進行:準備を怠らず、事前に十分な計画を立てましょう。
まとめ
スモールM&Aは、事業の将来を見据えた重要な手段の一つです。そのプロセスを正しく理解し、適切な準備をすることで、経営者としての次の一歩を力強く踏み出すことができます。
もしスモールM&Aについてさらに詳しく知りたい場合は、ぜひ当社までご相談ください!
監修:安田 宗一郎(公認会計士 / 税理士)
大手監査法人で法定監査業務、IPO業務に従事。
事業会社ではホビーメーカーの経営企画で上場準備を担当し新規上場を経験、ベンチャー企業の執行役員CFO等の業務に従事。
現在は、オールグロース会計事務所・株式会社オールグロースの代表として、税務顧問、財務・経理、M&Aや事業承継のコンサルティングを行う。

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